いよいよ映画化された「I love shopping」 ←イタリア語訳のタイトル。

シリーズ5まで本で読んだ私としては、ちょっとがっかりでした。

予想では1巻のストーリーで終わっといて、映画もシリーズ化するだろうとふんでたのですが、

3巻までの内容がばらばらに入っていて、そのわりには、大事なシーンがいっぱい抜けていて.....

あれじゃあ、レベッカの魅力が全然出ていなくて、ただのお買い物好きな、しかも嘘つきまくりの軽薄な女の子で終わってしまっていて。


例えば、映画に出てなかった私の好きな1巻での話では、

オリジナルの写真たてを作ってお店においてもらえるようになったルームメイトであり親友のスージー。

レベッカはお店に行って、「これ素敵よねえ」と店中にいいながら、写真たてを買う。

何も知らないスージーは「好評らしいの、再注文が入ったわ。」と喜んでいて。

ある日、レベッカが「見ないで」というのを押し切って、彼女の部屋の掃除チェックに入ったスージーが見つけたのは写真たての山.....(ここは、映像で演出したら、きっといいのになあ、と思いながら読んだので)


仕事に打ち込むときも、自分の知り合い(実家の近所)の夫婦が投資をしていて「はめられた、騙された」というのを知り、俄然、証拠つかみに走り、記事を書き....とことん「正義」ひとすじ。


そんな友人思いなところ、そのためには損得なしにまっすぐなところ、また黙っていても求愛されるヒロインたちとは違って、自分からアピールしたり落ちこんだり、悩んだり、といったところが、「お買い物狂」や「見栄のための嘘」などに理解できなくても、共感できたりするのです。


ついでにいうと、男性役の「ルーク」の意外な魅力。

ハンサムで若いのに仕事もトップで、お金持ちで、優しくて、頭も良くて、ということなしに書かれているルークですが、私が「あ!」と思ったのが「Hai ragione」(君の言うとおりだ)と言った箇所。


だいたい、男性って意見が一致しているときは、「そうだね。」と肯定の言葉を連発するけど、食い違っていた意見が突然「君のほうが正しい。その通りだ。僕が間違っていた。」と言うでしょうか?イタリア人だと女性もまず、言いませんねえ。

絶対、どちらも譲らない.....(オリジナルの舞台、イギリス人は譲り合うのでしょうか???)

でもこのルークは5巻までにいたって、何度も言うのです。別に彼に非があったとかそういう場面ではなく、ビジネスの話をしていたりとか、本当に「意見」の違いにおいて。


また、これら、彼ら登場人物たちの魅力とともに、本で面白かったのは「窮地からの一転」の連続。

仕事も恋も、友人とも、「もうだめか?」と思えるほど、いや、実際現実的には「だめになってしまう」ケースがわかるだけに、リアルに思えるほどどん底まで落ちこむのだけど、なぜか逆転、ハッピーエンド、そこが読後感がいいのだと思います。


映画ががっかりだっただけに、1話ずつオチのある章ごとに、ドラマ化してもらいたいと思うところです。


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I love shopping a NewYork